のんびり映画評論

主に洋画を中心とした映画評論のブログです。

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巴里の評判娘

原題 THE RAGE OF PARIS
1938年 アメリカ
製作 バディ・ダ・シルヴァ
脚本 ブルース・マニング、フェリックス・ジャクソン
監督 ヘンリー・コスター
音楽 チャールズ・プレヴィン
主演 ダニエル・ダリュー、ダグラス・フェアバンクスJr.、ルイス・ヘイワード

この映画はとてつもなく古い作品ですが、古い映画の割にはものすごくテンポがいいです。最初のいくつかのシーンで観客の心をグッとつかみ、最後まで飽きさせずに楽しく見ることができるラブコメ映画だといえます。

舞台はニューヨークであり、ダニエル・ダリュー扮するフランス娘のニコルがお金に困って、同じアパートに住む隣人の女性とタッグを組んで、お金持ちの子息に接近し、結婚して玉の輿に乗ってしまおうというストーリーです。

主要な登場人物のキャラクターというのがとてもはっきりとしており、人物にメリハリがあるという感じでした。

また、青年実業家の役で登場しているダグラス・フェアバンクスJr.ですが、この俳優がどうも妙にイーサン・ホークに似ているなあという印象がありました。もっとも、イーサン・ホークのほうが若い人ですし、時代はまったく違うわけですが。



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ポールとジョアン ポール・ニューマン夫妻の仕事と生活

この『ポールとジョアン ポール・ニューマン夫妻の仕事と生活』という本は、ポールニューマンの生涯を知る上で、とても貴重な本であると思われます。

というのは、ポールニューマンについて書かれた本というのがとても少ないからです。本書は、ポールニューマンの生い立ちから始まって、奥さんのジョアン・ウッドワードとの関係であるとか、出演映画にまつわるさまざまなエピソードが事細かに解説されています。

とくに面白く感じたのは、ポールニューマンが駆け出しの新人役者であった頃に、百科事典のセールスマンをやっていたというくだりです。

どうやら、ポールは優秀なセールスマンであったらしく、販売成績もよかったらしいです。

全体的にポールニューマンの人生というのをこの本で読んでみますと、裕福な家庭で育って、どちらかといえばすんなりと成功した俳優であるという印象を受けました。本書にも書かれていましたが、育ちのよさというのを乗り越えて、粗野な役柄を見事に演じきったポールニューマンの役者としての才能というのは、注目に値するものでありましょう。

結構、長い本であり、本編だけでも351ページあって、おまけに二段組みの本ですから、読みきるのだけでもやたらめったらと時間がかかるものです。

それでも、ところどころ興味深いエピソードというか、マニア好みの、あるいはハリウッドの雑学的な知識というものが散りばめられているので、映画ファンにはオススメの一冊ではないかと思います。



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ビキニの裸女

原題 Manina la Fille Sans Voile
1952年 フランス
製作 ウィリー・ロジェル
脚本 S・ペッシュ
監督 ウィリー・ロジェル
撮影 ミシェル・ロッカ
音楽 M・ビアンチ
主演 ブリジット・バルドー、ジャン・フランソワ・カルベ、ハワード・ヴェルノン

この映画は、タイトルの珍妙さに惹かれて思わず購入してしまった作品です。そして、若かりしときのブリジット・バルドーが見られるということで、かなりワクワクしながら観賞したものでした。

ストーリーは、パリの大学生のジェラールが黄金探しに出かけていき、灯台守の娘、マニーナと出会って恋をするという話です。

『ビキニの裸女』というタイトルがついているということは、おそらく素っ裸のシーンのひとつやふたつがあってもおかしくはなかろうと思ったものですが、実際のところ、そういった下世話なお楽しみはありませんでした。

しかしながら、ブリジット・バルドーがビキニを着用しているということは、これはこれでかなり貴重でしょう。また、映画の途中でほんの一瞬ですが、バルドーが片方のバストを露にしているのが目撃されました。(これについては余程、注意して見ないと見逃してしまうでしょう。)

そのほか特筆すべき点として、モロッコのタンジールの風景が秀逸に描写されていることがあげられます。古きよきヨーロッパのリゾートというものを、のんびりと楽しむことができるのです。

また、ジェラール役のジャン・フランソワ・カルベの筋肉というものが、ムキムキしていて筋骨たくましかったのが、妙に気になったところでした。

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マリリン・モンロー(亀井俊介著)

この本は日本語で書かれたマリリン・モンローの書物の中では、決定版とでもいえるほどの面白い、ためになる本です。

著者の亀井俊介氏の文章のレトリックがすごぶる冴え渡っており、私は
『マリリン・モンロー』を読んでからというもの、亀井氏の一連の著作というものを集めた時期がありました。

レトリックの話でいいますと、文章に著者独自のクセというものがあって、このクセが何ともいえない味わいを醸し出しており、一気に読んでしまうような面白さをたたえています。また、一度だけでなく、何度読んでも飽きが来ず、そして、旅先にもっていく本としてもオススメしたい一冊です。

それと、途中にモンローとの対比で、ノーマン・メイラーが登場しますが、メイラーの描き方、解説の仕方というのが、これまたちょっぴり、ふざけていて、楽しいエスプリを感じさせるものであります。

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ムーンリット・ナイト

原題 On A Moonlit Night In una notte di chiaro di luna
1989年 イタリア、フランス
製作 フルヴィオ・ルチザーノ、タラク・ベン・アマール
脚本 リナ・ウェルトミューラー
監督 リナ・ウェルトミューラー
撮影 カルロ・タファーニ
音楽 グレコ・ダンジオ、アヴィヨン・トラヴェル
主演 ルトガー・ハウアー、ナスターシャ・キンスキー、ピーター・オトゥール、フェイ・ダナウェイ、ドミニク・サンダ

この映画は、素晴らしい恋愛映画だと思います。

ストーリーは、自分がエイズ感染者だと知ったジャーナリストのジョン・ノット(ルトガー・ハウアー)と、その恋人ジョエル(ナスターシャ・キンスキー)の、愛と葛藤を描いた作品です。

この映画を観て、最後のラストシーンで思わず涙がボロボロとこぼれてきました。あまり、映画を観て涙を流すことはないものですが(かつて、『ホテル・ニューハンプシャー』という映画を観て泣いたことがあるだけです)、この壮絶な愛の悲劇といいますか、一人の人間の社会に対する反抗精神と、莫大なるこの映画の恋人たちの愛の大きさというものに感動したのです。

病と恋愛というのは、よく恋愛映画だとか、小説のプロットに使われるもので、ともすれば、安っぽいメロドラマ的な、どうでもいい陳腐な作品になってしまうこともあるものです。

しかし、この『ムーンリット・ナイト』という映画の場合ですと、映画の作り手の優しさ、人間の業というものを全面的に肯定する姿勢というものが、強く伝わってきて、非常に強く映画に共感することが出来ました。

このような社会派の作品、ある種のジャーナリスティックな視点をもった作品というのは、教条主義的なドグマにとらわれたり、あるいは、皮相な道徳的作品になってしまうこともあると思います。

『ムーンリット・ナイト』が大きな感動をもった作品になりえたのは、社会ではなくて、人間というものを追求していったからであって、社会というものの前に、まず、愛というものを掘り下げていったからであると思います。

また、この作品に色彩と重みを与えているのは、ナスターシャ・キンスキーという偉大な女優でありまして、この女優は類まれなる美貌の持ち主であるということだけでなくて、何か、尋常ではない存在感というものをもっている女優なのです。『パリ、テキサス』のあの有名なラストシーンもそうですが、クライマックスという映画の一場面に、絶大なる力を発揮する女優であると私は思いました。

演技がうまいだとか下手だとか、そういうレベルの話ではなくて、役者の人間としての存在感というものがどれほど大切なことであるか?ということが、ナスターシャ・キンスキーをみているとよくわかります。

素晴らしい作品です。途中、あまりの切なさに、映画を観ているのもつらくなるような、苦しい感情に襲われることもありますが、この映画を観終わったときに、大いなる感動の瞬間が待っていることでしょう。

テーマ:ヨーロッパ映画 - ジャンル:映画

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