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スーパーサイズ・ミー
2007.07.03(19:17)
原題 Super Size Me2002年 アメリカ
製作 モーガン・スパーロック
監督 モーガン・スパーロック
撮影 スコット・アンブロジー
音楽 マイケル・パリッシュ
主演 モーガン・スパーロック、ダリル・アイザック、リサ・ガンジュ、スティーヴン・シーゲル、ブリジット・ベネット
この映画は、ドキュメンタリー映画の傑作であると思います。
ストーリーは、この映画の監督兼キャストのモーガン・スパーロックが、1日3食30日間、マクドナルドのハンバーガーを食べ続けたらどうなるか?ということを実際にやってのけて、その食べ続ける日々を撮影したドキュメンタリーです。
馬鹿馬鹿しいとは思いつつも、その馬鹿馬鹿しいことを真剣に、ひたむきにやってみせるところがアメリカ的といいましょうか。
また、アメリカで問題になっている肥満を原因としたあらゆる病気に対して、警鐘を鳴らすだけの効果がこの映画にはあると思います。
本来、ドキュメンタリーや社会派ルポルタージュというのは、社会の不正や悪に対して、なんらかの反抗の意味をもって作られる場合が多いと思います。
しかしながら、そのドキュメンタリーの理念に反して、ふやけたテイストの単なる商業主義的などうでもいいドキュメンタリー映画が氾濫する中で、このスーパーサイズ・ミーという映画はかなりの迫力と信念でもって、マクドナルドという巨大企業に挑戦して、見事、素晴らしい、社会を動かす作品を作ったと思います。
また、映画全体で、ヒップでスタイリッシュな感じのする映像になっている部分があって、エンターテインメントとして観る人を飽きさせない作りである点も見逃せないところです。「大企業や社会問題にメスを入れる」などというと、途端に大衆というものをまったく無視した独りよがりの、それこそ退屈な作品になってしまうこともよくあるものです。
スーパーサイズ・ミーの場合は、作り手の目線というものが常に大衆や生活者の側にあることが感じられます。そういった部分も好感度が高いです。
肥満という問題は、現代の世界においては、「太っていたらかっこ悪い」だとか、そういったレベルの話ではないことがこの映画を観ているとよくわかります。そして、その肥満が社会問題になっていることの元凶の一つを、マクドナルドというファーストフードにスポットを当てて、徹底的に追求していったこの作品は、本当に素晴らしい、作者の身を賭けた渾身の一作であると私は思いました。
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ザ・コーポレーション
2007.06.30(20:51)
原題 The Corporation2004年 カナダ
製作 マーク・アクバー、バート・シンプソン
脚本 ジョエル・ベイカン
監督 マーク・アクバー、ジェニファー・アボット
音楽 レナード・J・ボール
主演 マイケル・ムーア、ノーム・チョムスキー、ナオミ・クライン、ジェーン・エイカー、レイ・アンダーソン
このドキュメンタリー映画は、中々ものすごい迫力をもっていて、それとともに、「企業というものはどういうものなのか?」ということを考えさせられる映画です。
全体の時間が145 分と非常に長いために、私はこの映画を観る前にかなりの気合を必要としました。ある種の忍耐力がいるといいましょうか。ただ、途中で投げ出さなければ、観終わったあとに確実に何かが心の中に残る映画であることは確かです。
この映画の出演者には、有名なマイケル・ムーアや、ノーム・チョムスキー、ナオミ・クラインなどがいます。それから、巨大企業のCEOが出演したりと、なかなか面白い趣向だと思います。
資本主義というシステムを考えると、それは矛盾に満ちたものなわけでして、実際のところ、私たちはどこかで働いている限り、環境を破壊したり、様々な社会的な害悪というものを撒き散らす側に与しているわけです。
一方、資本の側に目を向けると、やれ、「社会的な活動に貢献している」だとか、「寄付を行なっている」などといって、自らの罪というものを隠そうとするわけです。公害問題や、第三世界の人々の搾取といった企業の問題は根が深く、そう簡単には解決しないのは分かりきったことではありますが、それでも、企業というものが営利追求のためであるのなら、それこそ鬼になって、何でもすることはもうこれは誰の目にも明らかなことです。
また、企業というものに属することで、個人としてはまともな良心をもっている人間が、反社会的な行動を平気でするというような側面にも深くこの映画は切り込んでいて、実に観ていて勉強になる映画です。
ただ、人が存在するという時点ですでに、もう矛盾を抱えた存在である限りにおいて、簡単には企業批判というものが出来ないことも確かなことです。
というのは、現代の世界というのが資本主義を抜きにしてはもう生存すら出来ないということは明らかなわけです。飯を食うにも、自給自足の生活ということを実践できるのは世の中で限られた人々だけです。「環境を破壊しないために、人類に害毒を及ぼさない生活をする」というために、たとえば、山にこもるなどという行動をおこすためにも、やはり、最初は資本が必要であることはいうまでもありません。
だから、本当に難しい問題だと思います。
ただ、矛盾があることが明らかであるということを抜きにして、この「ザ・コーポレーション」のような映画が出来ることは、とても意味のあることだと思います。
こういった映画は普段、何気なく日常生活を送っていて、気がつかない、あるいは忘れかけているモノを気づかせてくれる映画だからです。
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