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レッドブル

2007.06.28(00:02)
原題 Red Heat
1988年 アメリカ
製作 ウォルター・ヒル、ゴードン・キャロル
脚本 ハリー・クライナー、ウォルター・ヒル、トロイ・ケネディ・マーティン
監督 ウォルター・ヒル
主演 アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェームズ・ベルーシ


この映画は東西冷戦期のアメリカとソ連を象徴するような映画という風にいえば、少しは格好がつくかと思われましたが、純粋なアクション映画であると思います。

シュワルツネッガーがコメディー的な演技をしている部分も見逃せないところです。
ストーリーは、旧ソ連から逃亡した悪人を追って、旧ソ連の警察官のイワン・ダンゴ(アーノルド・シュワルツネッガー)がアメリカのシカゴに行くという話です。

シカゴの警察官とコンビを組んで、悪人を追うわけですが、その追跡の過程の中で、その当時の旧ソ連だとか、社会主義国家を半ば、揶揄するような結構、際どいブラックなジョークが垣間見れて、時代を感じさせてとても面白いです。

以前、ヨーロッパを旅したときに、モスクワの空港でトランジットしたのですが、そのときに、この映画、レッドブルのイワンのような制服を着たロシア人がいて、時計をそのときもっていなくて、時間を聞いたら、むっつりとした顔で時間を教えてくれました。

そのときに、このレッドブルを思い出して、ひとりほくそえんだことを覚えています。

レッドブルにおけるロシア人の描き方というのは、かなり定型的であるときは漫画的ですらあるのですけれども、そのあたりの馬鹿馬鹿しさというのは、アメリカ映画の最も得意とするところらしく、また、私も個人的にはレッドブルは非常に好きな映画です。
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ミッドナイト・ラン

2007.06.26(09:31)
原題 Midnight Run
1988年 アメリカ
製作 マーティン・ブレスト
脚本 ジョージ・ギャロ
監督 マーティン・ブレスト
撮影 ドナルド・ソーリン
主演 ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン


この映画くらい、旅情を誘う映画はないと思います。

というのは、このミッドナイト・ランという映画は、ロードムービーであり、アメリカ大陸を駆け巡って、車、飛行機、列車の旅と、あたかもアメリカを旅行したかのような気分にさせてくれる映画です。

ストーリーは、賞金稼ぎの元刑事(ロバート・デニーロ)が、マフィアの金を横領した会計士を捕まえて、ニューヨークからロサンジェルスまで護送するという話です。FBIやマフィアに追われつつ、その二人の逃げる物語が展開します。

「男たちの友情」というものをこれだけ描ききったアメリカ映画も珍しいと思いますし、おそらく、そういう分野の映画では最高傑作ではあるまいかという風にも思います。

ラストシーンはとても哀愁が漂い、また、映画をみたあとに、さわやかな感動を残す素晴らしい作品です。本でいえば、「読後感がいい」とでもいいましょうか。

また、この映画はある種のアメリカンドリームを追いかける人々を描いていて、失われた人々というものを暖かい目線で描いている点もいいですね。
ミッドナイト・ランをみると、やたらに大きなアメリカの荒野というものが舞台になっていて、そうした舞台背景などからも、アメリカの大きさというもの、多様性というものを感じ取ることができました。

というのは、これは当たり前のことではありますが、ニューヨークの摩天楼だけがアメリカではないし、そこにある自由の女神だけがアメリカではないということです。大陸を横断するという過程を通じて、そうしたアメリカの大きさがよくわかります。

それから、この映画をみてとても興味深かったのが、ロバート・デニーロがやっていた賞金稼ぎという商売ですね。
賞金稼ぎは、保釈金金融からの逃亡者をつかまえ、成功報酬の賞金を受け取る業者ですが、ああいった商売が成り立つというのが実にアメリカ的といいますか。
あの保釈金金融の役をやっていた俳優がまた、胡散臭い感じの男でいいですね。実にインチキ臭そうな風貌の男で、まさに適役を配したという気がします。
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暴力脱獄

2007.06.26(08:41)
原題 Cool Hand Luke
1967年 アメリカ
製作 ゴードン・キャロル
監督 スチュアート・ローゼンバーグ
撮影 コンラッド・ホール
音楽 ラロ・シフリン
出演 ポール・ニューマン、ジョージ・ケネディ


この映画は、ただの脱獄劇ではありません。
人間社会の組織とか、企業社会の負の側面とかそういったものについても考えさせてくれる映画です。

というのは、個人が組織というものに対して反抗をする場合に、組織からはじき出されたり、組織につぶされたりといったことがあるものですが、そういう事柄を、監獄という状況を通して、存分に伝えてくれる、すぐれた映画なのです。

ポール・ニューマンの演技も最高です。
「クールであるとはどういうことか?」、「アメリカ人が考えるクールさとは?」、そういったことも映画をみているとよくわかります。

この暴力脱獄の映画の中で、ポール・ニューマンが、太った筋肉ムキムキの大男に負けるのがわかっていて拳で向かっていったり、囚人たちの前で「卵を50個食ってみせる」といって、本当に食べてしまったりと、、、「クールさ」をあらわす映画のエピソードはいっぱいあります。

だが、本当にこの映画をみてほしいのは、会社の仕事に疲れて、職場の人間関係にちょっと嫌気がさしてといった人たちです。

この暴力脱獄をみると、かなり元気が湧いてきます。

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ピンク・キャディラック

2007.06.26(05:10)
原題 PINK CADILLAC
1989年 アメリカ
製作 デビッド・バルデス
脚本 ジョン・エスカウ
監督 バディ・バン・ホーン
主演 クリント・イーストウッド、バーナデット・ピータース

クリント・イーストウッドの作品の中で、これはかなり面白い作品だと思います。

賞金稼ぎをしていた主人公のトム(クリント・イーストウッド)は、保釈金を踏み倒して逃亡している人妻ルー(バーナデット・ピータース)の追跡を依頼されます。

ルーを捕らえてみると、ルーは犯罪組織「純血団」の一員であることがわかり、トムとルーは命を狙われていることがわかります。純血団の目的は、二人が乗り逃げしたピンク・キャディラックだったというのが、おおまかなストーリーの流れです。

純血団というのは、犯罪組織であるということになっていますが、それにもかかわらずどこか抜けているというのが親しめる点です。クリント・イーストウッドのほかの出演作品、例えば、ダーティー・ファイターなどでも、悪役がどうもあまり頭のよくない犯罪者であって、そこがほのぼのとして楽しめる点でもあります。

アメリカ的な娯楽映画のひとつの典型をそこにみるような気がして、シリアスなクリント・イーストウッドもいいですが、ピンク・キャディラックのような作品もたまにみるにはとても興味深いものです。

クリント・イーストウッドは、アメリカの一側面というものを見事に体現しているような気がして、つまり、このピンク・キャディラックでも、冒頭のシーンから単純な暴力によって問題を解決するというような、ある種、たとえば、シュワルツネッガーの映画に出てくるようなそういうスタイルです。

アメリカ映画のそうしたスタイルは、ひどくみている観客を粗野ではありますが、日常の鬱憤をはらすかのような効果を与えるし、まったく何も考えなくて済むという点で、これはこれで非常に価値のある作品であると思うのです。

また、ピンク色のキャディラックという乗り物も、アメリカの物質文化を象徴しているかのような感覚を与え、アメリカに対する憧れと欲望をひどく喚起させるものです。ああいった乗り物は、派手ではありますけれども、クリント・イーストウッドが乗るからこそ、似合うという面があって、また、映画の中のセリフにあった、「ピンク・キャディラックは男の夢だ」というセリフ、あのあたりに映画の作り手の夢とメッセージが込められているのではないかなあと思います。
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野獣教師

2007.06.26(01:53)
原題 The Substitute
1996年 アメリカ
製作 モリー・エイゼンマン、ジム・スティール
脚本 ロイ・フリュームケス、アラン・オームズビー、ロッコ・イモニール
監督 ロバート・マンデル
撮影 ブルース・サーティーズ
音楽 ゲイリー・チャン
主演 トム・ベレンジャー、ダイアン・ヴェノーラ


このアクション映画はとても面白いです。

ストーリーは、代理教師として荒廃した高校に赴任した元傭兵(トム・べレンジャー)が、荒れた高校を暴力でもって制圧するという話です。

チンピラの集団が多いアメリカのマイアミの高校が舞台ですが、現代アメリカの病める現実というものをうまく描ききっており、また、アクションは痛快であって大変よくできた映画だと思います。

この映画が稀有であると思う点は、チンピラ、あるいは不良集団といわれるある社会の人々というものは、普通であれば、たとえばヤクザ映画、マフィア映画のように、悪がある種の美学としてよく描かれるものです。

しかし、この野獣教師という映画の場合、悪であるチンピラ、薬物を扱っているシンジゲートなどを元傭兵が徹底的に叩くという点で、非常に左翼的な観念をもった映画であると感じるのです。

ただ、この映画の場合、それがうまくいっており、というのは、普通、「悪を倒す正義」という構図、勧善懲悪のプロットでいくと、非常に説教臭いストーリーになりがちですが、野獣教師の場合は、主人公の描き方をある点でメチャクチャにあえてしている点で、そうした説教臭さを緩和しているという風に思います。

もうひとつこの映画の素晴らしい点をあげるとすれば、この野獣教師で描かれている悪のディテールの細かさです。90年代の映画なので少々ブランクがあると思われますが、全編にヒップホップの音楽が流れ、いかにも「悪そうな」アメリカの高校生が登場し、物語を作るうえでの、正確な背景描写というものを忠実に守っています。

そのディテールが正確であればあるほど、つまり、悪が本当に悪であるようにみえるからこそ、この映画の主人公が危機に陥ったときにみている観客はハラハラとおびえ、また、感情移入もしやすいというものです。

暴力を使うという点では、この映画の主人公も、チンピラマフィアもどちらも同じではありますが、そうした「暴力論」というものを考える機会にもなるかと思います。
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